蒸気ボイラーの仕組みについて解説します。このトピックに興味がある方や、更に詳しく理解したいとお考えの方にとって、ここで蒸気ボイラーの機能についてより深く学ぶことが出来ると思います。是非、お付き合いください。

1章目:ボイラーの仕組みについて

ボイラーには温浴施設や厨房施設で広く使用する温水ボイラーと蒸発蒸気の圧力や温度、湿度を使用する蒸気ボイラーに大きく二分されます。

温水ボイラーが水を温めて水をお湯として使用するのに対して、蒸気ボイラーは水を蒸発させて気体することにより多種多様な用途で使用することが可能になります。

それぞれの構造を細かく説明する場合はさらに構造や考え方をフローチャートに沿って説明する必要がありますが、温水ボイラーは大規模な給湯機と表現すると、蒸気ボイラーは規模の大きな「やかん」に火をかけたときにやかんの注水口付近からでる水蒸気を仕事に使用するために蒸気配管内へ流すものと表現させて頂きます。

ただ大規模なやかんで水を沸騰させて圧力がある蒸気を配管内に流すなんていうことは現実的ではなく、現在使用されている蒸気ボイラーは、そのほとんどが水管ボイラーという構造で作られており、ボイラー本体内にいくつもの水管(水を流す細い管)が通っており、そこに効率的に熱を与えて水を蒸発させていきます。

水管ボイラーはその容量によって簡易ボイラー、小型ボイラー、ボイラーというようにカテゴライズされ、資格や届け出の要、不要等が決まっていますが基本的な構造としては同じものとなります。

1-1.貫流ボイラの原理について

貫流ボイラーは、ボイラー本体に内蔵された水管の一端から給水ポンプにより水を押し込み、徐々に加熱して蒸発させて蒸気を発生させるものである。

貫流ボイラーの利点は、水管ボイラーに比べ運転コストが安いことです。しかし水管式ボイラーは貫流式ボイラーより高い圧力で蒸気を発生させることができるという利点があります。

1-2.水管ボイラの原理について

ボイラー本体内部で多数の水管でつないだ構造となっています。燃焼によりこの水管を加熱し蒸気を発生させます。細い水管に高い熱が加わるため、一部だけが急激に加熱されないよう、ボイラーの水を常に循環させる必要がある。ボイラーの水循環方式には、自然循環と強制循環の2種類がある。

自然循環式は、温水と冷水の密度差を利用して、自ら循環ループを作るものである。強制循環方式では、循環ポンプを使って常に水を循環させる。

1-3.炉筒煙管ボイラの原理について

炉筒煙管ボイラーは丸形ボイラーの一種である。丸型ボイラーには、縦型ボイラー、煙管ボイラー、煙管ボイラーなどがあるが、煙管ボイラーは丸型ボイラーの中で最も主流で、空調設備等に多く使用されている。排ガス管ボイラーの特徴は、水量が多く、炉の高さが低いことである。排ガス管ボイラーの水量は一般的に通常のボイラーの40%~60%、炉の高さは通常のボイラーの1/3~1/2程度である。排ガス管ボイラは、水の循環状態が良く、伝熱面積が大きい。排ガス管ボイラは石炭だけでなく、軽油、重油、都市ガス、天然ガス、コークス炉ガス、船舶油などの燃料を燃焼させることができます。

しかし、これらのボイラーにはボイラー技士の配置と定期検査が義務付けられており、昨今の製造工場やラインの24時間化や省人化により大型蒸気ボイラーは主流から外れています

1-4.排熱ボイラの原理について

一つのエネルギー源から電気や熱など複数のエネルギーを取り出して利用するシステムです。ガスエンジンやガスタービン、ディーゼルエンジンを使って発電すると同時に、発生した排ガスを回収して熱エネルギーとして活用し、最大で約80%の総合エネルギー効率を達成します。また、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を大幅に削減することができます。

1-5.圧力容器について

圧力容器とは、大気圧とは異なる一定の圧力で気体や液体を貯蔵するために設計された容器のことである。圧力容器の例としては、ボイラー、コンプレッサー、オートクレーブ、ガスボンベ、ダイビング用ボンベ、原子炉容器、分離機、プロパンタンクなどがある。

圧力容器は、発電、石油・ガス、化学処理、食品・飲料など、さまざまな産業で一般的に使用されている。圧力容器の材質は、金属(鉄、ステンレス、アルミニウムなど)、合金、複合材料(繊維強化プラスチック、コンクリートなど)など、さまざまなものがある。

球形の圧力容器は通常、高圧の液体を貯蔵するのに使われ、円筒形の圧力容器は気体を貯蔵するのに適している。容器の材質は、内容物の使用圧力や温度に耐えうるものでなければならず、また容器に求められる強度や耐久性も求められる。

1-6.第一種圧力容器とは?

第一種圧力容器は、(簡易)圧力容器及び小型圧力容器のいずれにも該当しない大型圧力容器で、製造許可、輸入、設置等の各段階において都道府県労働局等の検査を受け、使用開始後1年に1回登録性能検査機関による性能検査が必要です。また、使用開始後、1年に1回、登録性能検査機関による性能検査が必要となります。性能検査とは、圧力容器が製造許可証に記載された安全性及び性能に関する要求事項を満たしていることを確認するための検査である。

1-7.第二種圧力容器とは?

第二種圧力容器とは、労働安全衛生法施行令第1条第7号に規定される圧力容器で、(簡易)容器より規模が大きいものです。第二種圧力容器の構造規格に従って製造し、製造時または輸入時に個別検定を受け、年1回の定期自主検査を受けることが義務づけられている。第二種圧力容器は、中に入っている流体の内圧に耐えられるような構造であることが必要である。流体の圧力に耐えられるよう、容器の壁を厚くし、変形して破損しないよう補強する必要がある。

2章目:蒸気ボイラーはいろいろなタイプがある?

蒸気ボイラーと一口に言っても、蒸気ボイラーを採用し設置する場合にはその用途も含め、色々なカテゴリーから適正な蒸気ボイラーを選定する必要があります。まずは使用する蒸気の流量kg/Hと圧力Mpaを知る必要があります。 そこが確定しましたら次に使用する燃料を検討します。燃料は油燃料(灯油・A重油)ガス燃料(都市ガス・プロパンガス)電気(単相100V・200V、三相200V)に区分されます 使用する蒸気の流量、圧力とボイラーに使用する燃料が決まりましたら、あとはそれに該当する蒸気ボイラーの機種型式を探して、いくつかのメーカーがあれば抽出した中から選定するといった形となります。一般的に蒸気容量が60Kg/Hを超える蒸気ボイラーは油燃料かガス燃料、60Kg未満の蒸気ボイラーは電気式という形が多くなります。

3章目:蒸気ボイラーの一般的な用途とは?

蒸気ボイラーは色々な業種業界で使用されておりますが、水が蒸発して気体になることで蒸気そのものの多様な変化や、特性からその用途も一つではなく様々な用途で使用されています。水は液体では0度で凝固し氷となり100度で沸騰し蒸発していきます。この水が蒸発して気体になる時の体積は液体の時の1700倍になります。ここに圧力を与えることで液体で100度だった温度は圧力が高くなるほど上昇していきます。気体になった蒸気の温度は圧力により常に一定の温度を保ちます。直火の炎の温度は1500~10000度以上と非常に高温なのと炎の色や当て方によって与えられる温度が変化するため101度から1500度の温度を使用するための一定の温度管理には蒸気を使用するととても安定します。

4章目:蒸気ヘッダーとは?

蒸気を使用して多種の作業や工程を行う作業場や工場では、蒸気を効率的に使用するために

各所への分配を行う事が必要になります。

作業場や工場内で蒸気を供給する蒸気配管を、その必要な蒸気容量で太い配管を回すのではなく、各作業場や工程、また機械へ適正な蒸気を効率よく供給することを目的として、蒸気ボイラーより蒸気を一か所に集めて各場所へバルブ操作で分配するのがスチームヘッダーの役割です。

各工程で蒸気を使用する時間やタイミングが違うとき、場内全ての蒸気配管に蒸気を供給する必要がありませんので、作業の省エネにもなります

また、複数の蒸気ボイラーからの蒸気を一か所に集めて分配することも可能になりますので

蒸気ボイラーの稼働においても適正かつ省エネになります。

5章目:蒸気ボイラーに関するよくある質問

蒸気ボイラーは何を基準に選べばいいの?

使用用途や必要な流量、圧力の適正サイズに合った蒸気ボイラーを選定することが重要です。ボイラーは、家庭用の小型ボイラーから産業用の大型ボイラーまで、さまざまな大きさのものがあります。用途に適したボイラーの種類は、用途の熱負荷、燃料の種類、運転圧力など、さまざまな要因によって決まります。

蒸気ボイラーの配管工事の注意点は?

蒸気ボイラーを使用するための配管としては、供給する水(軟水装置を通して軟水化された水)配管、燃料配管(ガスまたは石油燃料)排気筒、電気のインフラ部分と実際に蒸気を供給する蒸気配管の各施工が必要になります。

各設備工事にはそれぞれの必要なノウハウがありますが、蒸気配管に関しては一般的な水やガス、油等の配管と異なる蒸気の性質ゆえの施工ノウハウが存在します。

配管を長持ちさせ、使用する蒸気機器の損傷をさせないための施工方法の知識が必要となります。

高低差などの配管施工方法のノウハウを含め、適切な工具や配管材料、蒸気機器を使用し、スチームトラップや逆止弁、減圧弁等を正しい位置に設置することが重要です。

蒸気ボイラーが故障する主な原因とは?

蒸気ボイラーは、水を加熱し蒸気を発生させるボイラーの一種です。蒸気ボイラーは多くの産業で重要な役割を担っており、その故障は工場の生産ラインや医療などに深刻な事態を招く可能性があります。蒸気ボイラーの故障の主な原因は、メンテナンス不良と供給される水の水質管理です。適切な管理とメンテナンスを行わないと、ボイラーの使用年数に関係なく亀裂や漏れが発生し、致命的な故障につながる可能性があります。

6章目:まとめ

昭和工業ボイラー販売株式会社では長年にわたり多くの業種のお客様に蒸気ボイラー各メーカーの商品を多数販売設置をさせて頂いております。経験豊富なスタッフだからこそ、お客様それぞれの状況、ご計画を伺いましたうえで新品、中古も合わせてそれぞれのニーズに最適な解決をご提案することが可能です。日本全国に提携企業のネットワークがあり全国対応をしております。また、ご相談、お見積は無料です。導入、買い替えのご検討に際し、お困りのことがあれば是非弊社にお気軽にお問い合わせ、またご相談ください。

蒸気ボイラーのことならお任せください

各社の中古蒸気ボイラーも取り扱っています